三浦春馬さんの日本製とその軌跡
このブログは、私の「30日間で8都道府県、三浦春馬さんの日本製を辿る旅をした」「そしてこれからも旅を続けたい」という行動とそれに伴う感情の記録であり、書籍の魅力や好きなところをメインでは語らないコンセプトにする予定である。
いや嘘です!語りたくなったら語るかも。
まず。前提として、私は三浦春馬さんについて多くを知らない。けれど、なにをしてても彼のことがずっと頭から離れなかった。
あれを機に彼の映像やインタビューを繰り返し観ては、多少なりとも内面を知った気になり、惹かれるのに時間はかからなかった。魅力的なエピソードを知れば知るほどに。
それに比例して、時間差で絶望感と喪失感が増した。
他のことがなにも手につかず、ゲームがしたい、映画が観たい、本を読みたいなどの欲求は消滅。
なにもしても虚無。夏休みってなんだろう。ただただ苦しい。
そんな私を救うように届いた1冊の本。
それが三浦春馬さんの「日本製」だった。
届くまでは、楽しみな反面怖かった。読むのがもったいないと思った。けれど、ページを開き出したら読む手が止まらず、充実度に高揚し、ときめきを覚え、3日間で読了した。
自分の引き出しでは絶対に見つけられなかった、日本の美しい人や物や事。
彼が4年半かけて懸命に47都道府県を辿った軌跡。
愛と敬意を持って取材に取り組む姿勢。
たくさんの想いと願い、切り拓くべき道、その先にある未来への選択。
それが1冊の本になるということ。
なにこの本!!!
めちゃくちゃ「生」が詰まってるじゃん!!
なんで…なんでーー!!!
いても立ってもいられず、その感情を抱えたまま、狂ったように土地を巡った。この情勢下で。
以下は書籍受取に至るビフォーアフターである。
日本製を読んで情勢が落ち着いたら、ランプナイフ日本製カバンに詰め込んで全国各地まわりたい
— mintchan (@mintchan821) 2020年8月13日
と!ど!い!た! 待ちに待った日本製!ちらっと中の写真や手書きの文字を見ただけで泣きそうだ 大切に読んでゆきます pic.twitter.com/nggkkFiykX
— mintchan (@mintchan821) 2020年8月16日
日本製読了。魂のこもった本を手に取れて嬉しい。付箋だらけになった😂 福岡の「僕が國井さんの年齢を迎えるころにも日本のどこかで博多ちゃんぽんの愛らしい音が響いていることを切に願います」という一文に万感の思いを感じて泣いたし、インスタのストーリーでその音色を残してくれたんだな春馬くん pic.twitter.com/PtZaVpWVhc
— mintchan (@mintchan821) 2020年8月19日
8月13日に希望的観測をつぶやいた私は知る由もなかった。まさか自分がその1週間後からそれを実行し、不慣れなブログまで始めるということに……。
土地の記録は今後綴っていく予定だが、それぞれに彼の足跡を見て、ある時は彼が愛されていることを知り、ある時はその人が大切にしているものがなにかということを感じ、視点が広がった。自分自身にも大切にしたいものが増えた。
彼は以前、こんなつぶやきをしていた。
人間は期待せずには居られない。自分自信に、他人に? それは傲慢である一方で、切なる願いなんだと思う。僕はまだ浅い思想しか持ち合わせてないと思う。けど人間の本質は全てより良く運べたらと思う善良な思想から成り立っている筈なのに。心を痛めるのは人間だけが持つ可能性だね。🐎
— 三浦春馬 & STAFF INFO (@miuraharuma_jp) 2018年12月22日
「人間の本質は、全てをより良く運べたらと思う善良な思想から成り立っている筈」
「心を痛めるのは人間だけが持つ可能性だね」
私は彼のこういうところがとても好きだ。この考えに到達するまでにどれだけの試行錯誤があったのか。それでも、人間と人間の心を慈しみ、愛し、まっすぐに未来を見てる。
そんな彼だからこそ、かけがえのない日本製の旅ができたんだなと感じられた。
早く彼のファンになりたかった。
一度でも会えて感情を伝えられていたら、応援ができていたら、多少なりとも今の気持ちも違っただろう。
日本製巡りをリアルタイムでしたかったし、その感想を他でもない本人に伝えたかった。
なぜこんなにタイミングが悪いのか。どうしてもっと早く魅力に気づくことができなかったのか。根っこにあるこの後悔は、おそらくずっと消えない。
けれど、この日本製を読み、跡を辿り、受け取ったものとリアルな感情はすべて本当であることを覚えていたい。何度でも言葉にしていきたい。この本には彼のあたたかな心と軌跡が詰まっている。
三浦春馬さんは、+act.2020年5月号で「僕にとって日本製の色は藍」だと言っていた。カバーの色はそれが採用された形だと。
日を経て、日本製の旅を重ねるごとに、その美しい藍色に細かな傷がつき、角が取れ、経年美化していく。そして、宝物がお守りのように増えていく。
私はそのことを愛しく感じる。